毎日どこかで新しいアーティストと新しい楽曲が生まれ、手軽に音楽を楽しめるようになった反面、
使い捨てのように消費される時代になったとも言える現在・・・
アーティストや楽曲にあるエピソードにも”触れて欲しい”と願いを込めて執筆するこのシリーズ。
今回はいつものアーティストではなく楽曲をご紹介。
日本でも大人気なジョナス・ブルーのデビューシングルとしてご存知の方が多いと思われる『あの曲』を少し掘り下げてみたいと思います!
「Fast Car」
トロピカルハウスや聴いていて気持ちの良い楽曲を数多くリリースし今では日本での知名度も高いジョナス・ブルー!のご紹介はまたの機会にするとして、彼のデビューシングルを覚えていますでしょうか?聴いた方が早いですね!
「Fast Car」
少し寂しげな不思議と耳に残るメロディーでこの曲がきっかけとなりジョナス・ブルーの名が知れ渡った名曲です!
「Sometimes I Rhyme Slow」
次に聴いて欲しいのはこの曲
Nice & Smooth(ナイス&スムース)というGreg Nice(グレッグ・ナイス)とSmooth B(スムース・B)による90年代に活躍したラップデュオが1991年にリリースした「Sometimes I Rhyme Slow」という曲なのですが、メロディーが全く同じですよね。
元ネタ
おいおい!パクりだったのかよっ!!と思うかもしれませんが次はこの曲を聴いてみて下さい。
こちらは80年代後半から活動しているTracy Chapman(トレイシー・チャップマン)というアフリカ系アメリカ人の女性シンガーソングライターが1988年にリリースした「Fast Car」という曲。
おいおいおい!2曲ともパクりかよっ!と思いましたか?
確かに原曲はトレイシー・チャップマンのモノなのですが、ナイス&スムースの曲はこの印象的なメロディー部分をサンプリングとして使用し、ジョナス・ブルーの曲はカバーですね。たった2小節の繰り返しなのに時代を超えてヒットするメロディーって凄すぎます。
サンプリングは主に既存の曲からメロディーやボーカルなどの一部分を切り取ってループさせたり、細かくチョップ(分割)して並べ替えたりして全く別の曲にしてしまう手法ですね。
著作権云々は訴えられたりと色々と問題も孕んでおります。私は好きです。
話を戻してジョナス・ブルーの「Fast Car」は音楽好きな母のお気に入りの曲で幼い頃からよく耳にしていた影響でカバーすることを考えついたそうです。
10年くらい前、SONYのポータブルオーディオプレーヤー「ウォークマン」のCMで
【10代で口ずさんだ歌を、人は一生、口ずさむ。】
というコピーがあるのですが、今だからこそその通りだなと感じます。
特に音楽は感情や記憶と深く結びついているような気がしていて、上の3曲でいうと私にとっては「Sometimes I Rhyme Slow」がそれにあたります。
DJを始める前、CDショップに通い色々と音楽を漁っていた頃、くそダサいコンビ名が目に留まって(今では1ミリも思っていません)興味本位で買ったアルバムに収録されていた曲で、当時音楽好きだった友人が鬼ローンをかまして購入したマスタングであーだこーだ言いながら繰り返し聴いていた記憶があります。
皆さんにはそんな思い出深い曲はありますか?
数年後か十数年後かに今を思い出す曲は何になるのか楽しみでもありますね!